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田の原大橋

広域農道尾鈴サンロードに掛かる、PC桁コンクリート橋。よく通ると言う以外思い入れもありませんが、南口に何を期待したか、製作工程を詳しく解説した看板があります。何故看板にしたのか良く分らないのですが、朽ち果てる寸前且つ余りの詳細さに感動したので転載しておきます。
他にも、農道の目指す目的などもありましたが、こちらは割愛します。行政上の都合と思われますので・・・



その看板です。


書かれてある、特徴と設計条件です。

       設計条件
種別     プレストレストコンクリート道路橋
形式     デビダーク方式箱型断面有ヒンジ連続桁 ポストテンションT桁
活荷重   1等橋 TL 2n
衝撃係数  10/25+?(L荷重に対して)
橋長     149.200 48.969
支間     26.250+95.000+26.250 23750+23.750
巾員     6.750+1.500
斜角     90°
設計震度  0.15

本橋梁は、3径間箱型断面有鋏ラーメン桁のデビダーク工法と2径間のPC単純T桁のフレシネー工法の2つの工法により施工されています。

デビダーク工法は、西ドイツのDW社が開発した工法でわが国でも広く用いられており、特に長大スパンに施工実績があり、本工法は緊張材として太径(φ32mm)PC鋼棒を使用しますが、工法の特徴としては、むしろ構造形式やその施工法にあり、本工事で採用している片持張出し工法(カンチレバー工法)にその特色が見られます。

フレシネー工法は、フランスのユージン・フレシネーによりコンクリートに高張力鋼を用いて、プレストレスを与えるという高度な技術思想を世界で初めて、工業的に確立されたもので、現在最も普及しております。本橋ではPC鋼線を12本束ねて緊張材とするマルチワイヤーシステムを採用していますが、鉄筋コンクリート製のフレシネーコーンと呼ぶくさび形定着装置により定着されるのが特徴です。



と言うわけで、その田の原大橋です
これは上流側から見た物、もう少し左側に続きます。上記の看板は下流から見た状態ですので、これと左右逆です。
メインはおそらくディビダーク3径間部。

南口から。とどろ滝の看板を取る為の物だったので、角度が怪しいですが。
至って普通の橋です。何故看板を作るに至ったのか、非常に不思議です。





とまぁ、このまま終わっていい話ですが、橋梁一発目な為、とりあえず一部解説。

PC/プレストレストコンクリート
プレステレストコンクリートの事。コンクリートは圧縮には強くも引張力に弱い。その弱点に耐える為に鉄筋コンクリート(RC)が生み出された物の、応力の関係からひびが入りやすい。それを改善すべく、高張力鋼などを使い、それを締め上げる事により、高張力鋼が固定された後、戻ろうとする力を用いて、ヒビ、ひずみに対応しようと言うのがプレストレストコンクリート。少々潰されかけようと、コンクリートは圧縮に強く無視できる。本来の使用方向から引張力が来ようとても、再度高張力鋼に任せました、と言う物。強度そのものは上がりませんが、捩れやヒビに強くなるそうです。

プレテンション方式/ポストテンション方式
プレステレストコンクリートにどのようにテンションを加えるかの順序。
プレテンション方式は、コンクリート打設前に、高張力鋼にテンションをかけること。
ポストテンション方式はコンクリートの打設後、開けて置いた穴に高張力鋼を入れて締め上げ、隙間に充填剤を使って元のコンクリートと一体化する方法。ポステンと、よく略されます。

ラーメン
麺類以外で何があるかと申しますと、梁と柱と剛結合した物を指すドイツ語。骨組みが剛結していると言う話ですね。アイリスオーヤマ辺りが出している金属棚がそんな感じでしょうか。水平を支える部材と垂直を支える部材が一体化しているために、強度が上がると言う仕組みです。よく似た別物にピン結合で三角形の力で支える『トラス』がいます。
で、ここでは「有鋏ラーメン桁」と出てくるわけですが・・・ どうも中央にヒンジがあるラーメン橋の事かと思います。google先生はそこまで優しくありませんでした。「有鋏」について分り次第更新しますが、いつ分る事やら。

カンチレバー(または工法)
ヤジロベエ工法と書かれていますが、片待ち張り出し工法が元のようです。河床や海上、交通量の多い場所では橋を作る為の支保工が取れません。よって、張り出す側の支える力を使う、又は橋脚の力を信じて反対方向に同一の力をかける等で橋の下に支保工を作らずとも出来る工法の事。
簡単に言えば、空中で繋ぎ合わせている橋を見かけたなら、「カンチレバー工法だ」と言い切って良いようです。
福瀬大橋のような「カンチレバートラス(ゲルバートラス)」なら、橋脚上のカンチレバー、中心の桁と分りやすいのですが。

デビィダーク方式
PCコンクリートをポステンする際に、鋼線を用いて、左右からの鋼線ねじ締め上げにより張力を出す方法。
カンチレバーのような、継ぎ足し式橋工法に向いていると言われます。
この田の原大橋では、右岸側、橋の梁が太い部分に使用されていると思います。


フレシネー方式
PCコンクリートをポステンする際に、鋼線又は、鋼撚り線を用い、ウィンチなどで締め上げ充填、その後雄型・雌型の楔を持って、この線の復元を止める方法。田の原大橋の場合、左岸側に使われていると思います

斜角
橋を支える支承間(橋脚を真横から見た場合の軸線)と、橋の向きの軸のとの傾きの事。
60度以上は難しいとか。

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