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石並川上流域の滝

石並川は途中で鵜戸木川と別れ、少し南進して尾鈴山に向かいます。
ここではその石並川とその周辺にかかる滝を紹介します。
この辺りは尾鈴酸性岩からなり、地質上は尾鈴瀑布群の一部とも言えまが、
「宮崎の自然と未来を守る会」さんにより、「石並川清布群」とされています。
現状私が行った場所のみ掲載していますので、実際の数とは異なります。
石並川水系の滝は、ほぼ「宮崎の自然と未来を守る会」の和田聖志さんが付けられた名前で載せていますが、
地元では別の名で呼ばれているものもあるようです。

石並川上流域では狩猟が盛んなようで、犬を連れた猟師の方が多く居られます。
そのため良く発砲音も響きます。
鹿や猪と間違えられないように、目立つ服装などで行かれる方が良いかと思います。
流れ弾にでも当たれば大事ですから。


注意:2010年1月現在、せんげん大滝近くの林道は工事中です。行かれる際には曜日など気をつけてください。

和田さん命名の滝は茶色で表示します。

1. とどろ滝

落差15〜20m。落差18m 渓流瀑。
別名「ととろの滝」、「産巣日之瀧」。
昔は田の原の集落からでも見えたそうです。
この滝には、注連縄がしてあり、何らかの信仰があるのかともいましたが、
地元の方の話を聞く限り特にそういう訳でもないようです。
名前の由来はおそらく形でしょうから「むすびの滝」だと思いますが、
ここでは石碑に書かれた名前を優先します。

場所は尾鈴サンロードで石並川を渡る橋「田の原大橋」の南端西側から、
ガードレールを越えた場所に、しっかりしたルートがあります。

追記:以前は石碑を元に産巣日之瀧としていましたが、現地に「とどろ滝入口」との看板が掲げられましたので、変更します。石碑自体はまだ存在しています。



2. 名称不明滝

落差20.2m 長さ46.59m 傾斜角23.4° 
県道中にある谷川橋から20mほど上流
スラブをゆっくり滑る滝です。
写真を移す側の壁(左岸側)に柱状節理が発達し、ロープで懸垂下降する必要あり。降りるルートによって、急斜面10m、垂直10mなんてことになります。多少はマシなルートもあり。でもロープ必須だと思います。
石並川にかかる懸谷瀑ですが、ここになぜ滑らかなスラブがあるのか、石を叩く事すらしてなくて、何も分かりません。


3. 日知の瀧

落差10m? 落差18m 2条直瀑
県道301号を終点まで行きますが、かなりの苦行です。
その先に整備された林道がありますが、しばらく進んで終わります。
その先のいずれ林道となる大きな遊歩道(今でも林道ですが)を行くと、
いずれ爆音が響きます。その正体がこの滝です。
道は滝の直上に出るため、まともな観察は出来ません。
少し手前のガレ場から谷底に降りていきますが、危険です。
大した落差はありませんが、深い淵をもちます。
なんとなく、尾鈴山矢研谷の鈴見の滝に似ています。



4. せんげん大滝

別名かきのき轟
落差50m? 現地に「手前3段41m」と表記あり 渓流5段瀑
日知の瀧からすぐ上流で、本流は千軒谷と別れます。
せんげん大滝は千軒谷起点からすぐの場所で、日知の瀧から50m程度です。
道からでは2段滝にしか見えませんが、現地看板によると5段だそうです。
手前3段とは見えている2段の事で、下からでは下段の滝に隠されている部分に4段目があります。上部2段は見えません。
5段目は深い淵をもちます。
横の写真は林道からの眺めです。

追記、林道路上から3〜5段目の高さを測ると、39.0mとなりました。現地看板はかなり正確なようです


落差5m? 1段目です。
良く見えていませんが、上部に斜瀑部があり、
直瀑部のみだと2m程度だと思います。

せんげん大滝は大きく4本に分かれており、1段目から2段目、2段目から3段目の間は15m程度、4段目と5段目の間は20m程度あり、それぞれ別の滝としても差し支えないほどです。林道から綺麗に見えないのはこのためです。


落差5m? 2段目です


落差25m?+3m? 3段目と4段目です。
この滝におけるメイン部です。
この撮影場所に降り立つのは危険を伴います。

計測結果、3段は落差21.2〜22.4m、4段は2〜2.8mとなりました。全体では24.4〜24.0mで、3段はこれから4段の落差を引くしかないため、誤差の幅が大きくなっています。傾斜角は3段89.7°、4段89.1°と、計算上。
滝の向きは、近づいていないので怪しいですが、3段NE10°、4段NW55°だと思います。
5段との距離は20.8m。


落差15m? 5段目です。
せんげん大滝の各段の内、唯一手軽に降りる道があります。

落差13.8m、滝壺も10mほどの広さがあります。向きはNW26°

本流とは水平距離57.6m、比高9.4mの位置です。



5. 小岩屋の滝

落差15m? 2条直瀑
せんげん大滝1段目から30m?程度上流にある滝です。
ここに至る道が地形図には記されていますが、実際には見当たりません。
手がかりの無い崖地もありますので、この先まで行かれたいなら、最低限ロープは持っていないと危険です。


正面から見ると、流量の多い左側が強く侵食されているのがわかります。辺りはSW80度(真西より20度南から、真東より20度北向き)に広がる、SE6度(南から6度東)方向に-28度傾いた柱状節理のおかげで、なかなか巻き道が厄介です。
古人の残した道を通ることになりますが、付近の獣のおかげで整備されているような物なので、ほぼ分りません。藪も大敵です。



6. またたきの滝

落差15m? 
小岩屋の滝から15m程度上流にある滝です。
古の道が獣達により、よく整備されているおかげで、この滝はあっさり巻かれてしまいます。観察には滝前に降りる必要があり、急傾斜と苔と腐葉土でよく滑りますのでご注意を。また、落石も発生します。

基本的には千軒大滝からこの滝まで、一体の構造であると思います。比高80mを超える連瀑帯です。
この先谷は一旦大人しくなりますが、滝の成因と共に、理由は私には分りません。



7. 名称不明滝

落差4〜7m? 
またたきの滝から800m程度上流にある滝です。
上部に少し見える滝は、下記にあります。 千軒大滝2段目からここまでに、炭焼き釜跡を3箇所発見。古人の根性がしのばれます。



落差20m? 
上記滝の脇から落ちてくる水流。



8. 名称不明滝

落差10m? 
上記の写真にも写っている滝です。
帰る時間がなくなるためによく見ていないのですが、この滝は垂直の板状節理が主体になっているように思われます。
岩石そのものは千軒大滝からここまで、ほぼ同一の色(白灰色)の溶結凝灰岩でした。





おまけ1. 県道終了地点の懸谷滝

落差15〜20m? 渓流瀑。
この谷は懸谷滝だらけなのですが、一部小さなものも紹介します。
県道終了地点の未舗装路部分にある小さな滝です。
>ユーレイ谷とその周辺の滝についてはこちら。

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